遙かなる時空の中で6DX 総評&感想神子編
無印のvita移植以来、久しぶりの遙かシリーズのプレイになります。私はコルダから入った層ですが、遙かも4以外プレイ済だったので、ずっと気になっていたのですが、遙か5が正直駄作だと感じていたので「新生遙かはダメかも」と勝手に見切りをつけて距離を置いていました。
が、こんな良作が作れるなんて。
実はプレイ自体は蛇香のライラの前に終わっていたんですが、あまりに好きが募りすぎて毎日イベント見返しちゃうし感想が纏まらなすぎてこんなに遅くなっちゃいました。
ありがとうコーエー
ありがとうネオロマンス
どうしてもっと早くプレイしなかったんだろう。蠱惑の森感謝祭に私も行きたかった……
よくあの5から立て直したなと心底感激しましたし、ネオロマンスの老舗力が抜群に光った素晴らしい作品でした。
総評
システム
安心安全のネオロマ仕様、(セーブ数◎、ギャラリー再生有、既未読選択肢スキップ有)です!
サウンド
BGMがめちゃくちゃ好みだった!特に「ガラスに映して〜結晶〜」と「朝日にキスして〜祝福〜」が好きだったな。
シナリオ
分量も程よく、一週目でもダレずに進められました。今回は終章前までキャラ分岐なくて、最後も大体が禍津迦具土神(以下邪神)を愛宕山に招霊してフルボッコという展開なので若干金太郎飴でしたが最大速スキップで飛ばせば問題ないです。
糖度
遙か6、なんといっても糖度増し増し激甘です。特にダリウスや秋兵さんはロマンチック街道をひた走っているのでめくるめく愛の言葉を捧げてくれます。そして、これはシナリオにも関連しますが、とても恋愛描写の過程が丁寧でした。私は自己投影型ではなく「読み物」としてゲームをするので、キャラ同士の惹かれ合う過程がご都合主義だと萎えてしまうんですが、今作は主人公目線と相手目線のテキスト量がいい塩梅。個人的に、ネオロマ作品は、作中で彼らの背景を知って主人公目線で惹かれて、その後のキャラソンやメッセージを通して彼ら側の気持ちを補足する、ような面があったように思うんですが、今作はゲームだけでかなりお互いの気持ちを知れるので曲は聞かないネオロマライトユーザーさんにもいい作品だと感じました。
ストーリーネタバレ
女子高生の高塚梓ちゃんが祖母のお見舞い途中に不思議な鈴の音を聴いて時空を飛ばされ、降り立ったのは怨霊はびこる異世界の大正時代、といういつもの遙か序章を経て、訳も分からないまま鬼の一族に拉致られ、元の世界に帰る為に怨霊退治に勤しむ事になります。
前半は鬼側、後半は帝国軍側について行動するので、対立する双方の事情や信念を理解できてすんなりと世界観を飲み込めました。
梓ちゃんは帝都の龍脈が乱れた事で黒龍の神子として召喚されているので、後半はその原因に迫ります。
結論から言うと、原因を作っていたのは帝国軍のトップ、秋兵父で、富国強兵の為に人体実験を行なっていて、その失敗作がコハク達「憑闇」。
ダリウスもこの計画に一枚噛んでいて〜って事なんですが、
邪神の力を養分に育つ「アダバナ」をダリウスが帝都に持ち込む→軍が花を培養、強兵計画→邪神の好む陰の気が大量発生→逆に邪神が釣られて帝都まで来ちゃった
っていうのが真相で、最後は秋兵パパに取り憑いてた穢れの元の邪神を倒して各エンディングに向かう形でした。
たまたま最近「蝶々事件ラプソディック」をプレイしてたので、同じ大正時代で同じような軍が強兵化を進める、みたいな話でビックリしました。大正って大正ロマン、みたいな華やかな文化面と、その後の大戦に続く軍部の仄暗さ、みたいな対比が描きやすいんですかね。
キャラクター感想〜神子編〜
今作の神子様ペアが素敵すぎて語らずにはいられなかった。
左が主人公黒龍の神子の梓ちゃん、右が対の白龍の神子の千代ちゃん
今回一番違うのはやっぱり梓ちゃんがシリーズ初の黒龍の神子という点。
個人的にこれが良かったな〜って思うのは
- 黒龍の神子の力が具体的に明かされた
- 白龍の神子を客観視できるようになった
という点です。
黒龍の神子については、これまでの作品で
- 破壊と停滞を司る黒龍に選ばれた神子
- 白龍の神子より先に選ばれる
- 怨霊の声を聞き鎮めることができる
- 陰の気の穢れに強く、八葉の守護を必要としない
ということが明かされていましたが、今回満を辞して主人公にジョブチェンジした結果、新たに
- 陰の気を身に溜め込める
- 怨霊を使役できる
- 招霊ができる
等々ご新規設定が盛り沢山でオタク心が大変くすぐられました。
この梓ちゃんの招霊スチルの圧倒的「黒龍の神子」感。これまでの神子達は白龍の神子様だったから眩い光の中天を仰いで祈りを捧げるイメージだったけど、黒龍の神子様は静かに自分の中に響く声に耳を傾けて語りかけてる。
そして、主人公の高塚梓ちゃんですが、結構いい性格してました。
冷静に物事を捉えて行動する強さを持った子なので、プレーヤー置いてきぼりの暴走をしたりしないし、心の中で割と毒づいてるところもかわいくてめちゃめちゃ推せました。
黒龍の神子にしてはあんまり不安定な感じや「破壊と停滞」感はなかったけど、主人公でそれされたらすっごいイライラしそうなので良かった、、、、
そして梓ちゃん最大の推しポイントはCVが斎賀みつき様!!
みつき様にこの美少女ビジュあてるのやば過ぎませんかね???乙ゲーで攻略キャラやっちゃうみつき様がヒロインって、、、、ゲームだとヒロインは戦闘しか喋らないけどイベントだとみつき様が声当てるんでしょ、、、それだけで6000円の価値ありですよ。
次に白龍の神子の駒野千代ちゃん
まず千代ちゃんはこの帝都の子なので、衣装がすんごくかわいい!!そしてこの神子スチル大好き、二人とも幸せになってね。
今作でわたしが一番良かった点が、白龍の神子がサブキャラに回った事で「歴代キャラ達が主人公を神聖視してきた感覚を理解できた」点です。
実際にプレイしていて、千代ちゃんが一言喋った瞬間に「あ、白龍の神子ってこういう事なんだ」って納得しちゃったんですよね。高橋美佳子さんの演技が素晴らしかったのも勿論あるけど、トータルとして、千代ちゃんに対して「すごく清らかで、澄んでいて凛としている」という印象を抱きました。ほんとに話すだけでその場の空気が綺麗になるようなオーラが出ていて、「一般人」じゃなくて「神子様」でした。
そんな素敵な千代ちゃんだけれど、本編では体が弱い上に、守護者の八葉が選ばれなかった為にどんどん弱っていっちゃうし、何なら大団円エンド以外では、みんなを守る為に力を使い果たして帝都から消滅してしまいます。
これはヲタ的大興奮ポイントだけど、力を使う時に千代ちゃんが「巡れ天の声、響け地の声」って言うんですよ!
千代ちゃんは白龍の加護を受けているので、死ぬ訳ではないけど、穢れの及ばない別時空に飛ばされてしまいます。
千代ちゃんのその後はノーマルEDか九段EDで「梓の時空の少し前の時間軸に飛ばされて、梓のお祖母ちゃんになっていた」事が明かされます。
私はしばらく千代ちゃんの結末は幸せなのか、と考えてしまったんですが、帝都では梓達が邪神を倒して龍脈を正したので、白龍は力を取り戻して千代ちゃんを再び時空跳躍させる程度の力を持っていたはず。それでも千代ちゃんは自分が帰ることよりも恋人・進さんを連れてきてもらう事を選んだ。
元々職業婦人を志していたり、身分違いの恋をしていたハイカラな千代ちゃんにとっては帝都より、自由に生きられる現代の方が幸せになれた、という事ですよね。よかった。
ちょっと切ないのは、この2つか、梓と現代帰還するキャラ以外では千代ちゃんが幸せになれた事の何よりの証が梓自身であるっていう事を梓ちゃんは知る事ができないっていうところ。
遠くでお互いの無事と幸せを祈るしかないんだな〜ってしんみりしちゃいました。
ここでプレイ前から大好きだった神子様デュエット曲のお気に入り歌詞
「ありがとう」だけじゃ
言い足りない気持ちは
いつかまた出逢う
その時まで 温めてる遠く離れても 絆は繋がってる
ずっと これからも 見守ってるからもしもこの先 つまずいたなら
空を見上げてごらん
私もきっと 同じ空見上げてる
プレイ後に聴いたらめちゃめちゃ泣けてしまった〜!「遠く離れても見守ってる」とかいう使い古されたフレーズがこんなリアルな状況ある??
攻略キャラなら入る前から語りすぎですが次からキャラ別感想入ります😂