遙か7 キャラクター感想 宮本武蔵&佐々木大和編
「遙かなる時空の中で7」キャラクター別感想、今回は朱雀編です。朱雀の二人は心根は全然違うけれど、お互いが「剣」を通して成長していく物語でしたね。どちらも立場ある戦国武将ではないので、怨霊や呪いなどといったどちらかと言うとオリジナルのストーリー展開がとても遙かシリーズらしくて面白かったのと、武蔵の話では七緒ちゃんの弱さ、大和では幼馴染みの関係を通して見る七緒ちゃん本来の気質が伺えて、神子というより「等身大の天野七緒ちゃん」という女の子について私は愛おしさを覚えました。
天の朱雀・宮本武蔵(CV:阿部敦)
武蔵くんルートはもうほんとうに王道の成長物語でした。コハク君の様に闇が見える事もなく、悩みはすれど圧倒的光属性でキラキラしていて、ポケモンでもやってる気分でサクサク進みました。
絶妙だな〜と思ったのが、武蔵くんのちょっと王道すぎてイマイチインパクトに欠ける部分を補う謎の剣士こと足利義輝(CV:花輪英司)
超ピンポイント層を狙った沸きポイントですが、平経正様の拗らせリアコは狂喜乱舞の大騒ぎですよ。
義輝様が殺される時の無念に満ちたお声……
義輝公に味方した昔の神子も一緒に殺された話も出てきましたが、こんなに立派な人なら私も仕えたいな。
武蔵くん個人でもすごく好きだったイベントがあって、火に怯える七緒ちゃんを励ましてくれたお話で、神子として炎を克服しなきゃって言う七緒に武蔵くんは「手が震える時にはオレが姫様を支えます。心が弱って歩けない時にはおんぶします」って言って弱い七緒ごと包みこんでくれたのが暖かくて、優しくて泣きました。
そこからの火事場での姫抱き救出は17歳の女の子はこんな事されたら好きになっちゃうよねって密かにほくそ笑みました。
あと、武蔵ルートでは最後に王道の仲間たちが「ここは俺が引き受ける!先に行け!!」してくれる展開と暴れ回る天地八葉コンビが楽しくてよかったです。
地の朱雀・佐々木大和(CV:岡本信彦)
まず大和のビジュアルは1番好みでした。
ただ、プレイ直後の感触としては「思ってたほどじゃないな〜」といった感じだったんですが、まあ殆どは真田幸村直後だったせいかな。
大和のお話は、エピローグでの
「帰る場所なんてない、理解者なんて現れない。
けど、別にそれでいい。
本気でそう思ってたんだ。
本当は、ずっと前から隣にお前がいて、もうとっくに、そのぬくぬくした心地よさに浸ってたっていうのに。
何もかもから目を背けていたから、そんな事にも気づかなかった。我ながらマヌケすぎてちょっと引く」
という本人の言葉が最もよくシナリオを表しているなぁと思っております。
大和のルートで1番良かった点は「女子高生の天野七緒ちゃん」自身の魅力が沢山詰まっていた所でした。
個人的にすごく好きな話があって、剣が楽しい事に気付いた大和に対して七緒ちゃんが
「おかしい、大和より、私のほうがよっぽど大和に詳しいなんて」
と言うんですよね。
その後に結局、大和から俺の方がもっとお前に詳しいからお前もまだ自分のこと知らねぇじゃんってマウント取られちゃってドキドキしたんですが、ふたりはこんな感じで終始相手の事を分かりきっていて、関係性が出来上がっている所が安心して楽しめてよかったですね。
ただ、中盤で帰宅したら疎遠だった父親に新しい子供がいて「パパの前の家族だよ」と言われる所は現代人ならではのリアリティがあって、正直メンタル的にキツくなって一度ゲーム閉じてしまいました。
メインのお話としても、無気力で孤独に生きた大和が剣の道を見つけ、仲間の温もりを知り、別離を経て側にある恋に気付き、ついにあの大和が感情の力だけで呪いを祝福に変えた、というのはやっぱり胸にくるものがありましたし、やっぱり大和も「慈愛」の朱雀だったんだな……としみじみ感じ入ってしまいました。
あと、終盤大和が七緒ちゃんを抱き締めるスチルがとっっっっても素敵で大好きなので是非プレイしてみて頂きたい。
「私といても、大和が悲しい顔をしない」
という七緒ちゃんの言葉と共に見る二人の涙には心が洗われました。
結末に感しては、宗矩さんのルートでかなりターラに感情移入してしまったのもあって、プレイ当時は大和に対する仕打ちやオチのインパクトがなぁ…とか思ったのですが、今は彼女が幸せになれる結末が用意されていることに純粋に感謝しています。
青龍に比べてかなりあっさりした感想になってしまいましたが、朱雀のふたりは胸が温かくなるお話でなんだか幸せな気分になれました。