月見草と海

月見草と海

ネオロマと石原夏織が好きなだけの社畜

蛇香のライラ 第三夜 アラビアン・ナイト感想

第三夜 アラビアン・ナイト

f:id:cocomarulip:20191020121213j:image

あらすじ

シャナーサ王国の国王――“ライザール・シャナーサ”

富国にし、会議を開催させた立役者であるライザール王は
自身の政策の強引さに一部の貴族らの中に反発が芽生え初めているのを感じていた。
彼らの反発を抑える手段は、ただ一つ。国の有力者の娘との『結婚』だ。

――会議1日目の夜。

各国の王子を歓迎する宴でライザール王は自身の婚約者を発表する。
彼女が、今日の昼に入れ替わっていることも知らずに。

「私を誘惑してどうする気だ。
だが、その程度では全くそそられないな。
――もっと私をその気にさせてみろ」
――時は少し遡って、前日。

《ショーサロン・カマル》の踊り子“舞妖妃”に、密偵としての依頼が舞い込む。
それは、王の婚約者を肩代わりして欲しいというもの。
駆け落ちを計画する婚約者は、逃げる間の時間稼ぎを依頼しに来たのだ。

その依頼には、“舞妖妃”すらも知らないもう一つの目的があった。
――暗殺を成功させるために、ターゲットを骨抜きにするというミッションだ。

「チッ……アイツの手なんか借りなくても十分だ。
アイツが誘惑する必要なんかない。……先に、オレが殺してみせる」
女の愛し方が強引なターゲットと、ただ一人の女のみを愛するクライアント?との
アラビアン・トライアングル

共犯の仮面に溺れるのは誰か――

(公式サイトより)

 

第三夜は最終章にあたるので、どちらのキャラをプレイしても真相√に近いようにできていますが、個人的にはライザール→ジェミルの順で始めた方が楽しめると思います。

 

 

以下、今回もネタバレ容赦なしの感想です

 

 

ライザール・シャナーサ

f:id:cocomarulip:20191020121112j:image

 

この設定で美味しくならない訳がない。

やり手の王様ライザールは常に警戒心MAX状態で、初日からシリーンの武器ヘナタトゥーに気付いて落としてしまうので、「シリーン本人の力量」が問われる展開になっているのが差別化としてとても良かったです。

ライザール王自身も王としての正しさや痺れるカッコ良さを沢山見せてくれるので、シリーンが「こんな王様のいる国は素敵だ」と感じるようになるのもごく自然な流れでした。

 その内、自分の弟分ジェミルがライザールを暗殺しようとしてる事や、ライザールが連続少女失踪事件の犯人かもという疑惑が出てきたりしますが、まあ真犯人は店主なので。

ライザールさんは逆に助け出す側だったと分かるのですが、途中で彼の相棒兼ペットのカルゥーが死んだのは泣きました、、、、

カルゥー可愛かったのに、、、、

 

結局、彼が本物のライザール王ではなく7年前に入れ替わった義賊ライラ・ヌールだと判明し、本名はルトさんだと告げられますが、「ルト」という名前を聞いたシリーンは頭痛で倒れ、そうこうする内に自分がルトに助けられていた事、自分が店主の実験台にされて逃げ出していた事を思い出します。

 シリーンの中では「野党に村を焼かれて親友と2人逃げ延びたところを店主に助けられた」記憶があったけれど、それも全て投与された薬物によって刷り込まれたまやかしだった訳です。

本当のシリーンは店主の実験台の男女から生まれて以来ずっと店主の実験室で「58番」として育てられていました。

 

もう終盤は店主倒すしかないので省きますが、ルトは昔からシリーンを愛していた訳なので、当然そのまま王と王妃として幸せに暮らしながら、夜になれば二人で義賊として街に繰り出すハピエンと、無事店主に再度洗脳されて淫らに変わり果てたシリーンがライザール王の前に現れるバッドエンドがあります。

 

 

ジェミル

f:id:cocomarulip:20191021171303j:image

男らしいビジュにCV村瀬歩が付いてると、つい買ってしまう現象に名前が欲しい

 

今回も素晴らしい演技でした。ちょっとやさぐれ感のある村瀬先生も絶品でした。

 

ジェミルはザ・反抗期の弟分キャラ、というか「好きな女が弟扱いしかしてくれないからグレて」います。

シリーンにとっては完全に家族なのでジェミルが何してくれても基本「あらあら、まあまあ、はいはい」といった様子で、ジェミルから直接「好きな女の手は汚させない」と言われたりキスシーンを経るまで、まるでジェミルの気持ちに気付きません。

実はプレイ時はこの話のシリーンも鈍感すぎて地雷でしたが、彼女にとってのジェミルは「弟みたい」ではなくて「完全に弟」だった事を理解してから受け入れられました。

 シナリオとしてはお互い想いあってる辺りでジェミルの出自の話や一晩で300人殺した話をされたり、店主を追い詰めても、「店主のことを傷付けない」ようジェミルとシリーンは洗脳されていたりします笑

 

 店主は本当は「不老不死の研究」をしていて、その為に王族の血を探していたのに、ライザール王は偽物のルトだから血が違って。

本当のライザール王がでてきて話を聞いていたら、ジェミルが本物の王子様だと分かります。

 

 

第三夜、なんの関わりもない2人のように見えて「偽物の王様と本物の王子様」の組み合わせだったんですね。

 

まあ最後はルトさんと一緒で店主倒してハッピーエンドです。というか、ライザールさんジェミルのこと「自分の隠し子」として公表してましたが些か年近すぎではないでしょうか。

 

 

二重スパイ√

一番最後に開くこの話が「蛇香のライラ」という作品の真相エンドになります。

 ここで全夜に渡って小出しにされてきた「永遠の美を叶える薬学」という本の話ともう1人の黒幕が現れ全ての謎が明らかとなります。

 マイルズという人間の書いた「永遠の美を叶える薬学」はパメラや美蘭ちゃんも愛読し、作者マイルズを信奉している描写がありましたが本人は登場してきませんでした。

男性っぽい名前からおじさんかと思っていましたが、マイルズ、ずっとそばに居ました。

 f:id:cocomarulip:20191025164039p:image

シリーンの親友アイーシャちゃん。親友ポジキャラ大好きだし、かなり好みだったんだけど、、、、

 お前だったのか

 

マイルズの名前が男性っぽかったのもアイーシャが「不老不死、永遠の美」に拘る伏線だったのですね。

さすがに気付かなかった〜〜〜!!!

 

アイーシャは30年も前から店主と共に不老不死の研究をしていました。シリーンの記憶にある親友としての記憶も薬物による捏造。

 アイーシャは9年前から見た目が変わっていません。シリーンがこれまで仕事で採取した「興奮状態の男性の血液」から作った薬で外見年齢だけ老けなかったと。その薬わたしも欲しい。

 店主が王族ジェミルの血で作った不老不死の実験は、顔が蛇の頭に変わってしまう不完全品だったのでアイーシャは「完全な不老不死」を求めてシリーンの血でそれを完成させます。

 正直なんでここで結局自分の実験台だったシリーンの血に行き着いたのかイマイチ説明がなくて疑問符がとれません。

 

ここで最終分岐の時に「二人とも好き」を選んでればグッドエンドで、なんか恋をして分泌された物質が作用して「不老」でなく「老化」が進行してアイーシャ死んじゃうラプンチェルエンドになります。

 

 

 

 

以上!

なんだかんだとボロクソ書きましたが、良くも悪くも新鮮な要素が多く、どこか欠けた登場人物ばかりなので、キャストの演技が光っていたのが何より良かったです。声優お楽しみコンテンツとして触れるのが適切な距離感かもしれません。

それと、クリア報酬で少しずつ「店主の日記」が開くので、彼側の事情を知ることが出来るのは個人的にとても好きなおまけ要素でした。プレイした際は一読するのをオススメします!