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遙か7 キャラクター感想 真田幸村&天野五月編

遙かなる時空の中で7」のキャラクター別感想、最初はやっぱり青龍のふたりからはじめたいと思います。

青龍ルートは今回ラジオでも「物語の根幹に早く触れたい方は青龍からがオススメ」と言われていた通り、主に七緒ちゃんの正体についてのシナリオが展開されていましたが、そこに対するアプローチが天地で真逆なのがすごく面白かったです。わたしは先に幸村をプレイしたので、幸村ルートでの五月の発言が彼のルートで実行されていたりしてワクワクしました。

 

 

 

 

 

 

*ここから先はかなり容赦ないネタバレ感想になりますので、未プレイの方はご自身で判断して下さいね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

天の青龍・真田幸村(CV:寺島拓篤)

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最初にやるんじゃなかった。

このままだと一生引きずるかもしれないので早く続編出して下さい。(どうせ出る)

 

それでもこのルートだけで諭吉札くらいの価値はあるので迷っている方は本当に購入して頂きたいです。

 

まず自分が真田幸村について家族が見ていた真田丸チラ見したくらいの知識しかないので、偉そうな事言えませんが、真田家の兄の離反や弟の死など、家族の話にもしっかり分量が割かれていて、特にお兄さんとは随所で仲睦まじい様子が描かれていたからこそ離反に対する怒りや、そこからの理解しつつ対立する、そんな様子も描かれていたし、そういう部分には神子を無駄に介入させないシナリオである所なども、歴史好きな方も満足できる丁寧な作りだなと感じました。

その上でしっかり別に恋愛していたので本当に良シナリオでした。青龍ルートはいつもそのシリーズを象徴するシナリオになるので、一周目から「これが20周年の本気」っていうのをひしひし感じられると思います。私は本気すぎてメンタルゴリゴリにやられましたし未だに立ち直れません。訴えたい。

 

 

 ここから主観たっぷりの感想になりますが、本当に作品の根幹までのネタバレを容赦なく致しますので気を付けてください。

 

 

 

こんな凄まじいメリバ見せられるとは思ってなかった。

正直言って、舐めてました。幸村は大坂夏の陣で死ぬ、という事は知っていたので、弁慶や沖田くんのように「死ぬ間際で七緒の世界に逃げる」お馴染みハッピーエンドを迎えるのかなって想像してたんですよね……

ある意味間違ってはなかったけど、行った先がまるで違うし、ちゃんと「死ぬ」のか、って心底驚きました。

 体験版のあと、散々黒龍が〜などと言っていましたが、今回の「遙か7」そういう次元のお話じゃなかった。七緒は神子ではなくて白龍そのものだったんですね。遙か3では白龍が人間の男性を形どって攻略キャラになっていたのでその逆ですね。

強い龍神の力を使用し目覚める程に人ではいられなくなって、完全に覚醒したら「七緒であった事」も全てが溶けてなくなってしまう。こんなの泣かずにいられる訳ない……

別れが怖くても、世界を救うためなら力を使ってしまうというのは龍神としての性なのか、人としての七緒ちゃんが築いてきた感性なのか……

しかもそこ普通の乙ゲーなら「力なんて使わせない。一緒に術を探そう」ってなるのに、「姫を愛しているから、姫がそう決めたなら従う。意に沿わぬ事をして姫の心を殺したくない」っていう幸村が本当にしんどかった。そんな綺麗な目で愛してると言うのにどうして……

七緒ちゃんも、今回すごく印象的だったんですが何度も「幸村さんが大好き」「幸村さんに恋をしてよかった」と伝えていて、お互いの愛情を感じるほどに読み手として苦しさが募りました。ライターさんは鬼ですね。

 

ただ、正直それでも途中までは「きっと記憶の欠片で幸村が七緒の存在を取り戻して現代ワープだ!」って思ってたんですよ……

それなのに今回はシステムはご都合チートなのにシナリオは全くチートじゃなかった。

七緒は世界を守る為に龍神に還り、幸村は大坂夏の陣で討ち死。

 

三成との約束を果たしてようやく柵から開放された幸村の

来てくれたのですね、私の姫…

あなたという方は…本当にどこまでも私の思いを汲んで下さる

あなたのおかげで……私は友との約束を果たせました

もう、何も…

あなた以外に求めるものはありません

姫…私の声が聞こえますか?

私はここです……

人の世で成すべきことはすべて終えました…

後は…あなたに……ーー

という語りの寺島さんの演技がとても苦しくて素敵でした。

 

この後の仲間みんなが彼の死を悼む描写がとても胸にきて………しかもね、途中で幸村が1章でプレゼントしてくれた反物、拒否る選択肢しか出なくて幸村可哀想だなって思ってたんですよ。そしたら勝手に仕立ててその着物でスマホで写真を撮ってもらって……この時のふたりのなんとも言えないむず痒い距離感が堪らなく可愛くて。その時はいつか2人で見返すんだろうなって思っていたのに、最後、この写真を見るのは現代に帰った五月兄さんひとりで。五月兄さんは七緒が消えたあと、彼女の部屋でこの写真を見つけてどう思ったんだろうと思うと苦しくてまた泣けました。

その後、死んだ幸村は神域へと導かれて、時空のかけらを頼りに七緒を取り戻しますが、ここでずっと「姫」としか呼んでくれなかった幸村からの「七緒」呼びとその時のなんとも愛おしげな声がもう……多分てらしー相当丁寧に演じてくれたんだろうな……本当にありがとう

五月ルートをプレイしたら、「龍神になっている時は自分が個であった意識は完全に消えてしまっていたけれど、無意識に五月の様子を見てしまう」っていう描写があってボロクソ泣いたんですが、絶対に幸村ルートでもそうだったんだろうな……覚えてなくても幸村をずっと見守っていたんだろうな…って思って見返したらまた泣きました。

再会した七緒ちゃんも「永遠の時空の中であなたに会える瞬間をずっと探していました」と伝えていて人の世では10年ちょっとでも過去も未来も混ざり合った龍神の世界では一体どれ程の時間を七緒ちゃんは過ごしていたんだろう…

「時空のかけらがある限り、私はわたしのままであなたを待ち続けます」と言っていたけれど、きっと覚えていても寂しいし、忘れていてもすごく寂しかったんじゃないのかな。

 

三成との約束があるから、果たす使命があるから共に居られなかった幸村が最後の最後で七緒に「あなたは今、何を望みますか?」と問われてやっと「あなたとの永遠を」と答えられたことがすごく嬉しくて哀しくて胸がいっぱいになりました。

この結末を生きて迎えられなかったのかな、と考えてしまうけど、どこまでもまっすぐで優しい2人だから役目を捨てられないし、これ以上もこれ以下の結末も想像できない…

再会した2人は、それこそ死にすら分かたれる事のない永遠の幸せの中暮らしていくのだから、喜びに満ちているはずなのに、この結末に悲しみを覚えてしまうのは人間の価値観なんだろうなって我が事ながら思い至りました。

 

 

とにかく終盤泣き通しで苦しすぎて全く纏まらない文章で申し訳ないです。感想を書く上で見返していたらまた鼻水ぐずぐずに号泣してしまいました。

これは間違いなく一生忘れられないシナリオです。

 

 

 

 

 

地の天龍・天野五月(CV:鈴村健一)

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幸村と違って、一片の曇りもない超絶ウルトラハッピーエンドで高低差で耳がキーンってなった。

立ち絵でよく、目を閉じて困って悩んでるやつがあったんですけどあれが面白くてめっちゃ好きだった。

五月兄さんは戦国オタだけあって作中でも常に色んな歴史を教えてくれたり、陰陽道極めすぎてて、クソチートでしたね。

散々気にしていた「一族がどうして七緒時空に移住したのか」の点は掘り下げがなくて少し残念でした。

 

あと、七緒を取り戻す所は王道だけどめっちゃ泣きました。

龍神になってしまった七緒ちゃんの個が溶けて「七緒」である事を忘れてしまったり、それでも無意識に五月が気になってしまう所、ちび龍に白龍に名はないと言われて「じゃあわたしは、あの人に名前を呼んでもらえないね…」と寂しそうに言う所は哀しすぎて、どうしたらそんな言葉が思い付くのかと頭が痛くなりました。

七緒を取り戻す件も、五月は宗矩みたいに龍神と七緒を切り離す術は持っていなかった訳だから、それこそ想いの強さで起こした奇跡だなって感じ入りました。

 

 

 

からの兄貴の話。

いや〜〜〜〜、ビジュアルは1番似ているとは思ってましたが、流石に石田三成が現代人はないだろうと思って頭から除外してました……

しかも生き晒しされた三成の救出方法が龍神力前向きに活用しすぎててワロタ。直前まであんなに感動的に必死に人に戻したのに、超積極的に使うじゃん……七緒ちゃん強すぎてそういう所すごく好きです。

 最後、きちんと龍神としての代替わりを果たして明確に「人間」としての結末を迎えたのでスッキリハッピーになれました。

五月は一貫して「人間」としての七緒の幸せを望んでいたのが、私としては共感する部分でした。人間としての七緒と最も長く過ごして、兄弟を一度失くした五月だからこそ、ここまで想えたのかな、と思いました。

 

 

 

 

 

幸村ルートに比べて五月の感想があっさりになってしまったんですが、五月ルートもすごく面白かったです。ちょっと七緒ちゃんの設定で新たな疑問がいくつか生じたりもしたんですが、メモブで解消されればいいなと願っております。