オタク的2019年ベストコスメ
先日コスメの話を出してからまたちょっとお化粧が楽しくなってきて、以前は美容垢とかもやっていたのですが、シンプルに好きなコスメの話を画像の枠内に収めきることが不可能なので長々と書きたくてこちらにまとめました。
2019年自分が沢山使ったコスメなので、去年からの買い足しや限定品が多い……
スキンケア
IPSA クレンジングマリンケイク
2500円
5回くらいはリピしてる固形の洗顔。正直これ以上に自分の肌に合う洗顔を見つけられる気がしない。わたしは脂性肌寄りの混合肌なので毎日石鹸で洗顔したくて、その「コスパが良くて、余計なものをちゃんと落としてくれて、かつ冬でもつっぱらない」っていう私が洗顔に求める要素を全て満たした一級品。なのに2000円代。そして8ヶ月くらい余裕でもつ。さらに言えば名前通り海みたいな綺麗でキラキラしたブルーの見た目にほんのり柑橘っぽい香りまでする。これ以上新規開拓する気に全くならない…死ぬまで使う。
アルビオン エクラフチュールd
40ml 10000円/60ml 14000円
現品購入したのは今年も秋が深まった頃ですが、最近肌測定をして急に効果を実感しました。スキンケアの1番最初に使う導入美容液。
使い始めてから、それまで理想値にぎり届かないくらいで留まっていた水分値がどのブランドの測定でもかなり上昇して、実感としても最近肌調子がすこぶるいい。冬なのに全然乾燥に悩んでない。あえて言うならアルビオンでのライン使い、少なくとも乳液辺りまではセットで使った方がいい気がするなぁ。
LUSH ヴィーナス誕生
250g 3310円
去年からリピして使用しているフェイススクラブ。週1〜2回使用して半年以上は持ちました。
圧倒的費用対効果。
3000円くらいでしっかりお肌ツルツルになるし、肌に優しいし、つっぱる感覚もないのでアボカドみたいな謎の香りにだけ慣れれば全世界にオススメ。それまでDiorで7000円くらいのスクラブ使ってたのがバカみたいに思えた。
Dior カプチュールユース プランプフィラー&クリーム
各12650円
正直それぞれ諭吉超えるし大学生が使うには高い。でも一生使いたいスキンケア。発売されてからずっとリピし続けてそれぞれ4、5本目。
先回りしたエイジングケアに着目していて、ハタチを過ぎて老化の恐怖に打ち震えていたわたしの心とDiorが共鳴した瞬間。
プランプフィラーは超絶保湿の美容液でヒアルロン酸の主張が強くって、使った翌日は肌がもっちりふんわりする。そして死ぬほど香りがいい
クリームは夜使用。抗酸化作用が高いらしいけど、要は予防ケアなので、その点に対して効果を直接感じた事はないんだけどそれでも4回リピートしたくなる魅力があるんです。ベタつかずどちらかというとサラッとしたテクスチャなのに、朝まで乾燥する事なく保湿してくれる。スパチュラ付きだから衛生面も良くて、そして何より香りが本当にいい。
フィラーもだけど、アイリスの花のエキスが使われていて毎日がスペシャルケアになる最高の香り。
KANEBO フレッシュデイクリーム
40ml 6000円
田中みな実様も愛用されているらしいデイクリーム。去年からのリピでライトタイプと合わせて現在3本目です。
これも個人的に費用対効果で見た時にスキンケアの締めの最適解。夏向けのライトタイプはチューブなので旅行等持って行きやすいのが良かったな。SPF30なのも売りらしいけど、私は別途顔用日焼け止めを塗ってしまうのでそこはよくわからなかったです。
通常タイプの方がやっぱり秋冬向けなのでしっかりもっちりするけど、すっと肌に馴染むし軽くティッシュオフしてからメイクするとマジで化粧ノリがいい。
ベースメイク
RMK UVフェイスプロテクター50
50g 3000円
去年からリピしてる顔用の日焼け止め。これも3000円なのに費用対効果が最適解。
余計な色補正もないし、なんというか、いい意味で塗った感がないのでその後のメイクに全く響かないです。乾燥するような感じもしないので年中とりあえず最初に塗ってた。
YSL ラディアントタッチブラープライマー PK&BL
30ml 6300円
言わずと知れたYSLの最強プライマーの昨年春に出た限定カラーピンクとブルー。混ぜて好みでパープルを作ったりして使用していました。
塗った瞬間毛穴が消滅してサラッサラになってその後のファンデの伸びの良さが凄い。ファンデがめちゃくちゃ薄く均一に塗れるようになるので、コスパは良くなるし化粧は崩れないし、感謝しかない。
カラーも強めだからピンクはしっかり血色感出してくれるし、ブルーはまじで肌が透ける。
何故これが限定品なのか分からない。正直もうすぐ無くなるので死ぬ。次は廉価版のボリカを試してみようかと検討中。
Dior フォーエヴァー&エヴァー ベース
30ml 5940円
これ+アンダーカバーが最強。
Diorにしては色も暗過ぎず、使いやすいし、軽く肌のアラもカバーしてくれる。テクスチャは結構液体っぽい割にしっかりしてるなっていう印象。何気になくなると困る。パウダーファンデのベースにも崩れにくくて丁度いいんだ…
あと、Foreverシリーズは香りが割と好き。
Dior スキン フォーエヴァーアンダーカバー
30ml 6050円
一見色が暗いんだけどのばすと結構馴染むので問題なく使用できるし、そんな事より効果の利点が上回る、夏の最強ファンデーション。
夏はデロッデロになるTゾーンの強い味方。本当に崩れない。ディズニー行くとき絶対これ。冬は流石にダメだけど意外と乾燥しない所もとっても好き〜。
無いと生きていけない。
厚塗りすると逆にごそっと崩れるのでお高いブラシで薄く薄くのばすべし。マットよりの仕上がりにはなるけれど、これを使用する日は天然のテカリがすごくなる日なので問題なし。
エレガンス ラプードル オートニュアンス
8.8g 10000円
超有名諭吉フェイスパウダー。去年から年1ペースの購入でセミマット仕上がりのI番とⅥ番を使用。
これ買った後逆に他のフェイスパウダーにいく理由がない。
フェイスパウダーはコスデコとプードルが有名な印象があるけど持ち運びやすさの点でプードルの右に出るパウダーはないと思う。ほんとにうっすくてコンパクト。そして言うまでもなくとにかく細かい粒子でメイクに馴染んでくれて、崩れない。これも無いと生きていけない。最初諭吉出すのにちょっと躊躇うけど、少量ふわっとのせてあれだけ肌が綺麗に見えて、1年くらい使えるんだから月単位では千円も入ってないんだし安すぎるくらいに思えてくる。
アイシャドウ
Dior サンククルール687 アピール
8360円
自分史上最も使いやすいアイシャドウパレット。
確か昨年のDiorサマーコレクションの時に名古屋と銀座松屋限定で発売されたパレット。
まずどこを見ても捨て色がない。真ん中のカラーが好きすぎてCDがハゲてきちゃった…
普段使いに向いてる控えめで繊細なツヤ感なので、就活の時に本当にお世話になったし、旅行の時はとりあえずこれ持っていけば何とかなる。
無くなったら本当に困るんだけど再販しないのかな……
チーク
NARS ブラッシュ オーガズム4013N
4.8g 4070円
去年から年間2/3ぐらい使っていた気がする。
イエベ春チークとよく言われているけど、実際に使ってみて本当にそう。
ピーチピンクに細かいゴールドラメでほんのり艶やかな幸福顔にしてくれる。
髪色が明るかろうが暗かろうが似合ってくれるので就活の時毎日使ってたしポーチ常備チークはこれ。死ぬまで使う。
クリニーク チークポップ22 ポピーポップ
3300円
オーガズム使ってない残りの100日はこれ使ってた。
去年の限定品だったけど、もしかしたら韓国でなら買えるのかもしれない…
超絶可愛いお出掛けチーク。
鮮やかなコーラルレッドで、ありえん発色がいいのでめちゃくちゃ使ってるのにまだお花の型が欠片も消えない。10年くらい使えそうで笑う。
じゅわっと血色感が出て、肌全体を色白に見せてくれて、春ビビの女が優勝した瞬間だった。
がっつり朱赤だから逆に春ビビ以外の人は似合わないんじゃないかとも思った…
リップ
CLARINS ウォーターリップスタイン ウォーター02
7ml 3300円
去年のサマーコレクションのリップだけど、海外ではいつも見るから絶対買い足す。
こんな綺麗に凄まじいオレンジになってくれるティントを他に知らない……
ナポリタン食ったみたいなド蛍光色のオレンジになる。
チークの時にも書いたけど私は春ビビなのでこれが超似合う、超絶可愛い。そして全く落ちない。クレンジングがちょっと大変。
これベースに入れて上からリップスティックで色味を調節するのが好きすぎてもう3割くらいしか残ってない、泣きそう。
Dior アディクトリップティント
4070円
人生でこれ使ってる日しかない。
好きすぎて10色持ってるので特定の色を選べなかった…
唇弱い人は苦手なのかもしれない。わたしは全然大丈夫だった。
特に去年のサマーコレクションのタイミングで出た限定4色と新色2色は既存色に比べて薄付きになってより使いやすくなって最高すぎて全色買った……
CLARINS コンフォートリップオイル 09レッドベリーグラム
7ml 3520円
昨年のホリデーコレクション。
通常のレッドベリーにハニーグラムみたいにラメがぎっしり入ってる。
ポーチ常備コスメ。そもそもこのリップオイルの保湿力が好きで、年中前記のティントの上に2、3箇所落として馴染ませて使ってる。そうすると一日中まじで乾燥しない。プックリ塗ってウルウルに見せるのをよくSNSでは見るけど、逆に落ちやすい気がするので個人的には少量を馴染ませるのがオススメ。
09番は食事とかの後に軽く塗れば血色感がただいまする。助かる……
こうして改めて見ると2018年で自分に似合うものを見つけられたパーツが多いので、大体リピートしちゃう商品が多かったなぁ……!
2019年買ってよかったコスメ
今週のお題「2019年買ってよかったもの」なんですね。
いつもは推しの話しかしていませんが、根がオタク気質なのでなんでも好きになると沼を極めてしまう性質で、そんな私が沼らせていたものの一つがコスメです。
2019年は使用期限を気にして去年集めたコスメの消費に重きを置いていたのですが、そんな中でも買ってしまった一軍コスメ達です。
ALBION パウダレスト
たしか今年の夏頃に新発売されたアルビオンのパウダーファンデ。まず持ち運び向きなコンパクトなケース(BAさん曰くかなり強固なケースで、中身が割れないように開発したそう)がよき。
そしてパウダーファンデなのに薄膜を貼ったようなツヤ肌に近い仕上がりになるし、かなり付け心地も軽い。パウダーファンデののっぺりした印象が苦手でとにかく薄付きを求めがちな私にピッタリでした。
Dior サンククルール 696 シエナ&786テラ
今年のDiorのサマーコレクション。2色買いしました。
購入当時の写真。左がシエナで右がテラ
最高です。今年のメイクの半数はこのパレットを使っていた気がします。
特にシエナは「これさえ使えば私は可愛くなれる」最強パレットでした。左下のカラーがとにかく可愛くて、テラコッタよりは明るい絶妙なブラウン。愛してる。真ん中のゴールドを下瞼や目頭側に重ねるとぐっと華やかさも足されてとにかく万能。
テラの方はそれこそ次に紹介するTHREEとの相性が良くて、大人っぽく仕上げたい時に大活躍してくれました。真ん中のちょっと白みがかったゴールドを重ねると、むしろ色味が落ち着いてシックな印象になるのが魅力的なパレット。
THREE シマリンググローデュオ01
左右のどちらのカラーも繊細なツヤ感で、シックなメイクにしたい時に愛用しました。質感もパウダーのようにサラッサラなのに密着してヨレない。
左のカラーをアイシャドウベース以外にも、チークのベースとして使用してほんのりオレンジを重ねるのにハマってました。
CHICCA リップスティック36 タングステン
悲しいことになくなってしまうCHICCA…
CHICCAのリップスティックはリップクリームのようにスルスルと塗れる質感と、シアーな発色が魅力的でした。
タングステンはCHICCAの中では珍しく割としっかりとレッドに発色してくれて、マットな赤は苦手だったのでかなり愛用していました。
2018年はもっぱらDior信者でうっかりダイヤモンド会員になってしまう程買い込んでいたんですが、2019年はスキンケア含めて総じてALBIONの犬になっていた1年でした。
遙か6 キャラ別感想 虎&コハク編
蠱惑の森の面子大好きすぎて前後半わけちゃったよね。
本条政虎(CV:竹本英史)
最初、5での神子様大好き福地桜智のイメージが残ってたせいで「うるせえ女」呼ばわりされてビビり散らしましたが、虎√とっても良きでした。虎ちゃんは脳筋レベルが完凸した結果、他の人と明らかに毛色が違っていたなぁ笑
虎√は一つ一つの台詞が後ですごく活きてくる所にシナリオの力を感じます。
卵焼きの一連の流れは何回見てもやっぱりニヤニヤしちゃう。
虎ちゃんはのっけから人の厄介事に関わる梓ちゃんに「金にならない」「無駄」「偽善」呼ばわりしてきて、しかもそれにちゃんと納得する理由を付けてくる。虎も白虎の男なので脳筋なだけじゃなくて地に足つけた考えっていうか結構俯瞰的な物の見方をしてきて賢いです。ルード君が理論的な賢さなら虎は実践的な賢さって感じ。
そして色々ありながらなんだかんだ梓ちゃんを助けてくれる虎。
この「どうしようもねぇな」っていう表情、虎と梓ちゃんの関係性がよく出てるなと思いました。
虎ちゃんは根にしっかり一本筋の通った性格なので、そこにどんな「芯」を通してあげるかで在り方を全く変えられる。それでも虎は虎だと思わせてくれる。
これまでは敵討ちのためのお金という指針で動いていた虎に梓は新しく正義のヒーローっていう生き方を教えてあげた。それはお父さんが虎に望んだ生き方。
虎は梓と出会えた事で自分の本当に在るべき姿になれたのかなって思いました。
とはいえ、終章で「梓ァ!蛇鍋の準備でもしとけ!!」って言いながら邪神の体昇って爆撃した時は脳筋すぎてゾクゾクしちゃった。
最後は奈落の底から梓ちゃんを助けてくれて二人で現代帰還。ここでも呼んだら地獄の底でも来てくれる虎が漢すぎ。
あとね、エピローグのセリフに愛が詰まりすぎてた
梓、愛してるよ
お前がいない世界はつまらなくて、考えられねえ
だからーー
めいいっぱい連んで、年を重ねた後は
少しでもいい
オレより長く生きろよ
情が深すぎてマリアナ海溝。
虎にとって梓がいない世界で生きるのは1秒でも無理なんだよね、なんだかもう胸がいっぱいになる虎ちゃん√でした。
コハク(CV:阿部敦)
なにその萌え袖。かわいい。
*こちら天性の朱雀の女ですので、シナリオが好きすぎてここから先がとっても長いです。お気を付けて下さい。
一章の途中で出会うコハク君。原因不明の病「憑闇」に侵されて異形の力を使えるようになった明るい男の子。助けてくれた梓ちゃんを「オレの女神様」って慕ってくれていつも助けてくれるいい子。
記憶がなくて、憑闇なのに理性がある事がダリウスの目に止まって蠱惑の森に匿われます。「コハク」という名前は瞳の色から梓が付けた名前。本名は善次郎君。
梓と共に記憶の回復頑張って、自分が花街生まれで「厄介者扱い」を受けた挙句疫病で死にかけていた事を思い出して、一度はこれ以上思い出すのをやめようとしちゃうコハク君の人間みが好きでした。
結局もう一度花街に向かって、自分が母にとても愛されていた事を思い出して「生まれてきてよかった」と思えたコハク君。
でもそんな幸せばかりじゃなくて、その後には自分が軍人に拾われて強兵計画の実験台にされた事やアダバナの中で自分を無理に作り変えられる恐怖体験をした事を思い出して子狐抱えて
おれは貧しくても、病になっても
生まれてきてよかったよ
優しい人たちに愛されて
好きな人とも出会えたから
…すげえ幸せ者だ
でも………
初めて、この世に反吐が出る
って言ってたシーンは胸が苦しくて苦しくて一緒に泣きました。
そして最後、想い合える関係になれたのに、コハクは梓ちゃんを邪神から守って「あなたは俺のことを覚えていてくれさえすればいい」と言い残して本当に死んじゃったし、別れを惜しむ間も無く梓ちゃんは時空の渦に飲み込まれてしまって。勿論梓ちゃんは黒龍にコハクの命を蘇らせてとお願いして叶えてもらうけど、人の命を動かす大きな願いの代償として、「梓の生きた証」と等しい「一番大切な記憶」を失って現代に帰還。
悲しい。コハクが作中通してずっと一つだけ願ってきた「梓の記憶に残る」事だけが命と引き換えに叶わなかった………
コハクはずっとずっと梓への恋は叶うものではないと思っていて、その中でほんとにずっと「梓の記憶に残る事」だけは切望していて、それは記憶をなくしたコハクだからこそ願ったものだしある意味1番のコハクという存在の主張だよね。なのにどうしたってそれだけが叶わなかった……
そして、現代で帝都での記憶もなく日常に帰った梓ちゃんは最近よく話しかけてくるお兄さんが唄を歌うのを聴いて彼に「コハク」と呼びかけて。名前しか思い出せないけれどとてもコハクを愛おしいと感じて泣いちゃう梓ちゃんと、抱き締めるコハクのエピローグスチルがとても素敵でした。
梓ちゃんがコハクと呼びかけるとコハクが「そう、俺はコハク。この綺麗な名前をあなたがくれた」って言ってくれるんですね。どうしてこう、朱雀の男はわたしのツボを絶妙に押す台詞を言うんだろう……
自分の感情についていけなくて戸惑ってる梓ちゃんもだけど、今まで可愛い顔ばかりだったコハクが梓ちゃんを包み込むような優しい表情をしていて泣いてしまった。水野先生本当にありがとうございます。
今度は梓ちゃんが記憶をなくしていて、最初のコハクと梓ちゃんとは関係が反転する訳で、二人の出会いのシーンにスチルはなかったけれど、コハクにとって一目惚れした梓ちゃんはこんなふうに優しくて尊い存在だったんだろうなってこのスチルを見て感じました。
最後にね、コハクにどうして泣くの?と問われたあとの梓ちゃんの台詞がとても好き。
わからない
涙があふれて止まらなくて…
おかしいよね?
あなたのこと、忘れてたのに
とても愛しいって思うの
会えて、嬉しい
この胸に溢れる温かい感情をどう表現すればいい??
最後コハクが梓ちゃんに「今度はあなたの記憶を取り戻す旅だ」って言うんです。これまではコハクの記憶を取り戻す旅で、記憶が戻った後も甘い思い出や切ない思い出が沢山あって、今度はそれを梓ちゃんに取り戻す旅が始まって、その旅が終わってもふたりはずっとその先の思い出を増やしていくんだと思ったら胸がとにかくいっぱいで、涙が止まらなかった……
以上、わたし的2019年ナンバー1乙女ゲー「遙かなる時空の中で6」でした。
幻燈ロンド含めると全員のルートで拍手していた気がするし、これは新春遙か祭行くしかないでしょ、って思っていたのですが、原点ヒノエの女の心が疼いてしまって直後の遙か3ライブをお通し券でご用意してしまったのでちょっと断念しました………
遙か6 キャラ別感想 ダリウス&ルードハーネ
また完全に上げるのを忘れていたプレイ感想、蠱惑の森の頭領、ダリウス様と従者ルードハーネ君です。
ここでちょっとだけ遙かヲタの主張を挟ませてもらうと、遙か6は単体でも充分楽しめるシナリオですが、過去作もプレイしていると特に鬼の一族や星の一族の変化とか楽しめるから、みんな遙か3やろう、あと無印。
今作だけ触れたという方に軽く補足させて頂くと、無印(平安時代)あたりは「厄災あれば全て鬼のせい!」レベルに異形の姿と力を持つ鬼の一族は相当な迫害を受けていましたし、そのせいで恨みを募らせてなんならラスボスが鬼です。そんな背景を踏まえると、開国された大正時代で鬼であるダリウス達が西洋人に紛れて古美術商なんていう立派な職を営んでいるのは、私なんかは割と胸にくるものがありました。
以下、キャラクター感想です。
ダリウス(CV:鈴村健一)
圧倒的ビジュの良さと能力値の高さを持ったお姫様。ラストなんて白雪姫。
PVなんかでも一番出番が多いのでまあトップクレジットキャラだろうなと思って最初に攻略しました。ダリウス√は強兵計画自体がかなりメインに食い込んでくるし、展開的に梓ちゃん自身の成長が最も描かれていたので、「できる女、高塚梓」に対して全幅の信頼を寄せながらその後のキャラクターに入れました。
ダリウスは鬼の一族の首領で、最初に帝国軍に召喚された梓を自分のお屋敷に連れ去るんですが、この時梓に「鬼の一族は迫害を受けていて、今帝都に怨霊が蔓延っているのも軍によって鬼のせいにされている。怨霊を減らして汚名を濯ぎたい。梓も怨霊が居なくならないと帰れないから協力しよう」っていう説明をするんですけど、この絶妙に真意を隠しつつ事実を織り交ぜた知力溢れる口説き文句めちゃくちゃ好きです。刺さりました。
利用するために呼んだ梓を、甘い檻に留めるためにしょっぱなから「好き」「可愛い」「結婚する?」等散々な文句で甘やかしてくれるかと思いきや2章で関係に亀裂が入ると監禁するしシュークリーム押し付けてくるし、この落差よ。
ダリウスには、「帝都に革命を」っていう強い信念を貫くっていう青龍的な面も勿論あるんだけど、恋愛に関してはほんとうに「鬼の首領」だなぁって感じました。つまり何が言いたいかって、鬼の首領は愛が重いんですよ。
そしてこの人やっぱりイッちゃってるんだなと実感したのがルード君終章での生き埋めの場面。
ダリウスは生き埋めになった梓と精鋭分隊を即座に見捨てて邪神を倒しに行く選択をして、ルード君に「行くよ」って言うんです。敵対していた精鋭分隊はともかく、自分の√で想いを深めないと梓まで切り捨てられるのか、ってかなり衝撃でした。これが多分コハクとか九段だったら自分の√以外でも梓を助けに行くと思うんですよね。ダリウスにとっての黒龍の神子があくまで手駒でしかなくて、帝国軍の崩壊という目的を果たした今、用無し廃棄できちゃうのほんとに鬼の首領っていうか、初期のアクラムと蘭ちゃんを思い出しちゃいました……
そしてダリウスとの恋愛は、梓ちゃんが敵側に渡ってしまってからのダリウスの殻を壊すのがも〜〜〜う面倒くさいのなんの。村雨同様「逃げるダリウスに追う梓」の構図。でもあれだけ追って、捕まえて、梓ちゃんを成長させてくれたダリウスルートだからこそ、ラストシーン、蠱惑の森の湖で待つダリウスを容赦なく「撃つよ」って言ってダリウスを撃ち抜く梓ちゃんもうはちゃめちゃにカッコ良かったし、ダリウスと梓ちゃんが本物の運命になった瞬間はここだと思うので胸が震えました。
ちなみに、1番好きなスチルはこれ
めちゃめちゃ大正ロマン〜〜〜って感じで好き。
ダリウスお前梓ちゃんにこれだけ救ってもらったんだから結婚した後もこんな風に梓ちゃんデロデロに甘やかすんだぞ。お幸せに!!!
ルードハーネ(CV:立花慎之介)
同ブランドだし一個だけ言っていい?ビジュがソラ君。
15歳の年下オカンルードハーネ君。
ルード君との恋の過程はすごく分かりやすくて、ほっとけない→居なくなって淋しい→守ってあげなきゃ→可愛いかも→好き
っていう王道ツンデレ√を辿り後半に15歳の少年の成長物語がぎゅぎゅっと詰まってました。
ルード君の恋愛過程は、彼のキャラソン「不可欠ナ理由」に天才的な程上手に纏まってて感動したからみんなApple Musicで聞いてほしいな。
ハンカチ貰っちゃう下りは梓ちゃんの健気さもルード君のセリフもぐうかわだったし邪神から結界の種で梓ちゃんを守ってくれて「渡すものか」って言ってくれる凛々しさもときめいたよ。
そして鬼の首領の直系だったルード君
ヲタク的興奮ポイントなんですが……「鬼の頭領は完全世襲制」って初情報じゃないですか?つまりアクラムと福地桜智とルード君って直系子孫って事ですよね??激萌すぎなんですけど!!!
そしてルード君は後半、鬼に偏見なくルード君を「先生に向いている」と言ってくれた博識高いお爺さんに出会って自分の中に新しい夢が芽生えていきます。正直私が一番「ネオロマンス流石だなぁ」って感じたのはこのルード君後半です。
だって、ぶっちゃけこのルード君の後半、新しい夢や可能性についての話はある意味なくてもなんとかなるっていうか、浅い造り込みのゲームだったら絶対入れてない話だと思うんです。
ゲームをしていて、ルード君だけはっきりシナリオの前後半のテーマが分かれているように感じましたし、恐らく前半部分の梓への恋心、ダリウスへの忠誠心や過去の苦労や葛藤に対して標準をあてる事もできたけれど、それでもルード君をただのダリウスの従者で終わらせることをネオロマはさせなかったし、それが「15歳」という年齢の圧倒的な若さと可能性に繋がったのかなと感じました。
で、話に戻ると、ルード君はダリウスに救われた事で、人生に新しい道ができたと思ってそのダリウスの従者という「一つの選択肢」に結局囚われてしまっていたんですよね。そして村瀬さんに出会って従者というのも自分の人生の数多の可能性の一つに過ぎない事に気が付いて、悩み、考えてまた選択するんです。
たった15の少年がその事に気がつくのってかなり凄い事だし、そこはやっぱり彼の持つ賢さっていうか、白虎的な面を感じました。
そして、ダリウスを絶対の存在としない可能性に気付けたからこそ、終章でダリウスに従わずに生き埋めになった梓を助ける選択ができた。このシーンはもう散々泣きました……
ダリウスに行くよって言われて「でき………ません…」って言うルード君に完全にママになっちゃった……
でもルード君、エピローグスチルは如何なものかと思うよ……絶対見えてる…見えてるよ………
このスチルびっっっっくりしたんですけど、わたしだけじゃないですよね??ネオロマってコルダは3作品経ないとキスシーンないし、がっつり映さないし、遙かもあのヒノエすらスチルはなかったんだぞ??村雨先生といいここにきてどうした???甘すぎて糖尿病になりそう。
遙かなる時空の中で6 プレイ感想 帝国軍編
あまりの亀更新ぶりにびっくりしちゃったけど、遙か6キャラ別感想帝国軍(違うのもいるけど)編になります。
プレイ順はダリウス→秋兵→ルード→有馬→虎→九段→コハク→村雨です。
あと完全に推し度合いによって分量の差がひどい。有馬さんごめんね……
有馬一(CV:寺島拓篤)
もう一言目から「天の青龍です!!!」ってオーラがバリバリ。
生真面目で不器用で真っ直ぐな強さを持った人。
すごく印象深かったのが、梓ちゃんが帝国軍側へ移ってきて、はじめに軍の人たちに以前(ダリウスに操られて)自分の力で軍の人を傷付けてしまった事を謝るんですが、そうするとすぐに水に流して仲間として受け入れてくれるんですよね。仲間を大切にする分、そういう禍根に拘りそうにも窺える有馬さんが、謝るのにどれ程勇気がいるかを理解してそれを汲んで梓に微笑んでくれたのが意外でした。
有馬√は恋愛面でこの手のキャラが好みでないので刺さりませんでしたが、「禍津迦具土神がどういう神なのか」というのが1番よく描写された怖いルートでした。(恋愛なら、有馬は幻燈ロンドの方が好きだった!)
有馬さんは何というか、安心して背中を任せられる感すごかった。けど、本編だとわたしはどこまでが仲間としての情なのかが判り辛かったなぁ。邪神の呪いに入るのも梓じゃなくても、秋兵やそれこそ友部相手でも守りにいっちゃいそうな感じがある。
あと友部だよ友部。彼の無事が確認できるのは有馬√だけだったので、前3人やってる間ずっとモヤってました笑
片霧秋兵(CV:岡本信彦)
最初に言わせて下さい。最推しです。
顔良し、頭良し、運動神経良し、物腰柔らかと、うん、遙か6の文句なしのスパダリは秋兵さん!!ラストほんとにダーリンになってるし。
帝国軍総長の息子という立場への葛藤と、親に決められたレール上の人生への諦めを抱いてきた秋兵さんが、現代的な考え方の梓ちゃんに惹かれていく様は分かりやすかったし、梓ちゃんも立場に苦悩して無理して笑う秋兵さんに寄り添って恋していく様子が丁寧に描写されててすごく良かった!
印象的なシーンは山ほどあるんだけど、さっき言った梓ちゃんの現代感が活きてて「あ〜〜〜」ってなったのが、二人でシベリアの美味しい喫茶店に行くシーン。もうすぐ見合いでお嫁さん貰わないといけないかもって言った秋兵さんに梓ちゃんが「結婚、したくないならしなくていいのでは?私達の世界は恋愛は自由です」って言ったら秋兵さんに「ずいぶん進歩的な考えをされるんですね」って返されるんですよ。今作イチでトリップものを感じた瞬間ですね。
秋兵さんに関してはなんと言っても後半「自分の父親がラスボス」っていう地獄不可避の状況が待っていたから、二人の関係が比較的前半で纏まりきってる感じがして、後半にかけては秋兵さんの「地の朱雀」力が爆発しすぎててヤバかった。
もうここ好きすぎるんですけど、パパが敵だと気づき始めた秋兵さんが梓に正式に交際を申し込んで、返事をもらう場面。
この梓の部屋でベッドに2人寝転んで「交際したら」どんな日々かを語るスチルがとっても良きでした。
直前まで自分がどれだけ恋人を大事にするか蕩々と語り、あまつさえ「君との恋を与えられたなら、きっとこの生涯は色彩に満ち溢れるだろう」(この台詞が遙か6で一番好きな言葉でした。美しい)とまで発言したにも関わらず、梓が元の世界に未練がある事に秒で気付くと身を引いてしまう秋兵さん地の朱雀すぎる。
そしてだよ、邪神倒していざ帰還か残留かっていうラストシーンでの告白がまた超絶地の朱雀で悶絶しちゃった。
大好きでしたよ、梓くん
僕はもう大丈夫です
僕は一生分の恋をしました
めくるめく、沢山の色彩が今も胸に満ちています
君への想いがあれば
これからの人生
色褪せることはないでしょう
心から感謝を贈ります
…さようなら、どうぞ息災で
全然大丈夫じゃない。大丈夫じゃないんだよ。
私の中での「地の朱雀」は優しさと自己犠牲の側面を持ってる人のようで、父と闘い、帝国軍は崩壊し、たった一人の家族も失いそうな状況で、最後にひとつ残った大切な恋に縋りたくなるのなんて当たり前なのに、それを「残酷な恋心」なんて言っちゃって、追い縋ったっていいのにまた平気なフリして送り出しちゃう。
推せる、推しが過ぎる
エンディングでは勿論梓ちゃんは帝都に舞い戻ってきますし、エピローグではちゃっかり結婚してるしなんならスチルが新婚さんエプロンで梓ちゃんが可愛すぎて私が死んだ。
そして甘すぎるモノローグと秋兵さんからの「マダム片霧」呼び、最高でした。
萩尾九段(CV:四反田マイケル)
「はぎお くだん」って名前の美しさ半端なくないですか???
九段さんは星の一族です。星の一族っていうのは龍神の神子に仕える一族で、未来予知の力で神子を手助けする役目を代々担っていました。そして、歴代攻略対象になる星の一族の男は自分が死ぬ夢を見たり、神子助けると自分が消える等々ハードな運命に苦しむ事が常だったので、今回も重いのかなって思ってたら、実質千代ちゃんルートのほのぼの九段様。
大きいバブちゃんでしたね。彼の強さはその無邪気さと優しさですがその真価が発揮されたのは幻燈ロンドでしたので正直6本編のルートは全く刺さりませんでした。
九段√をプレイして圧倒的に良かったのが、「神子を二人とも大事にしてくれた所」に尽きます。九段にとって神子は絶対的な存在で、千代ちゃんは大事な神子様であるけどその前に大事な幼馴染。逆に梓は先に神子様という関係があって。そこから「神子」という部分を取り払った梓自身を見てくれるまでに意外と時間がかかったなと思いました。多分平手打ちされた辺りで個人としての梓を見てくれるようになって、でもそこから恋に落ちた後がヲタクみたいで笑っちゃった。
特に、名シーン選挙でも選ばれてたけど、夜会でドレスアップした梓ちゃん見て「美しい……」以外の語彙を喪失した挙句、自分の語彙でこの美しさを表現し切れないのが悔しい!って嘆く場面とか推しを前にしたヲタクすぎて腹が捩れた。
ただ、私が今作で唯一キレたのは九段エピローグです笑
だって九段、現代にきて職業「占い師」って………虎ですら整備士っていう立派な仕事に就いて梓ちゃんのために頑張ってるんだからもっと本気出せよ!!お祖母ちゃんのお気にだからって甘えるな、そんな男に私の梓ちゃんは預けられないぞ。
九段は本人のルートよりも、村雨さんルートで転送布陣をカッコ良く決めてくれた時が本人の陰陽師としての実力が遺憾なく発揮されていて最高に男を見せてくれたなって思う。
里谷村雨(CV:安元洋貴)
語彙が「お前さん」「〜しなさんな」「〜しちまった」等ネオロマの30代男な村雨さん35歳。
最後にした方がいい臭がぷんぷん匂ってたし、コハクで号泣した直後に始めたから霞まないかな?って心配してたけど全然そんな事なかった。
村雨先生は今作唯一の現代人枠です。しかも梓ちゃんと旧知の中でもないのにその場にいたせいで飛ばされた完全に巻き込まれ時空跳躍の被害者です。毎度思いますが龍神は召集が雑。花梨ちゃんの時みたいに器用に神子だけ呼べないのかな笑
彼の正体に関して他ルートでほぼ匂わせがなかったから完全にただの帝都の革新派の人だと思ってました。ネタバレ挟まないシナリオに圧倒的感謝。
村雨先生のルートは恋愛面然り、展開然り、「龍神のいない世界の現代人ならではの感覚」っていうのがすごく活かされていたなぁと感じました。
恋愛面ではそりゃ35の現代男が16の女子高生に手は出せないよな〜〜って感じ。無印コルダで金やんが「ほぼ倍だぜ?ジジィだよな〜」って猫に相談してたイベント思い出しちゃった。
そして、安元洋貴、相変わらず声が良すぎる。
村雨さんが「お手付きだ」っていうシーンがあるんですけど、最高に腰にクる声しててSwitchぶん投げました。
そしてそして一番好きなシーン、ラスト転送布陣でどっか行っちゃった梓ちゃんを探すために村雨さんが群衆に呼びかけるんですが、これが本当によかった。龍神のいない、人の力のみで作られた世界からきた人だからこそ、他の√と違って異形の力ではなくてどこまでも人間の力を信じられるんですよね。
なんとまぁその演説内容で遙かの世界観に対して村雨とマックス解釈の一致を果たしてしまった件。
以下私が首もげるほど頷いた村雨先生の有難い御言葉。
神子だって、元々みなと同じごく普通の人間だ
笑いもすれば泣きもする
怒りもすれば傷つきもする
勉強だって恋だってする
まだ、たった16の娘だ!
それが、たまたま力を授かり「救世主」という重責を背負った
ほんとにそれなんだよな〜〜
遙かの世界って正直5以外の神子にとって異世界を救うメリットは現代への帰還以外ない訳で、救ったところで現代の未来が良くなる訳でもなし、帰還した後にいい事がある訳でもなし、ただ関係ない時空に飛ばされてさぁ救うだけ救ってねって放り出されるかなりの理不尽シナリオな訳ですよ。そしてそれを甘んじて享受する異世界の民たちよ。「神子なんだから助けて」とか当たり前に縋られても昨日までただのJKだったんだけど。私なら速攻放り出して逃げます。
関係ないんですけど、遙か3の時に弁慶が「剣も握ったことのないような可憐な少女を僕達のせいでここまで強い人にしてしまった。申し訳ない(意訳)」みたいな事を言ってくれて、初めてそこに気付いてくれた事が嬉しくて私は恋に落ちたんですよね。それと同じ。
その要素に切り込んでくれるキャラがまたいるとは思わなかったし、それを主人公との2人の間じゃなくて、異世界中の人に理解させてくれたのが胸熱でした。
でもねここまでほんとうに最高だったのに、エピローグで電車で公開プロポーズと路チューきめてきた時はひぇってしちゃったよ。
次はいつになるかわかんないけど好きすぎる蠱惑の森………
遙かなる時空の中で6DX 総評&感想神子編
無印のvita移植以来、久しぶりの遙かシリーズのプレイになります。私はコルダから入った層ですが、遙かも4以外プレイ済だったので、ずっと気になっていたのですが、遙か5が正直駄作だと感じていたので「新生遙かはダメかも」と勝手に見切りをつけて距離を置いていました。
が、こんな良作が作れるなんて。
実はプレイ自体は蛇香のライラの前に終わっていたんですが、あまりに好きが募りすぎて毎日イベント見返しちゃうし感想が纏まらなすぎてこんなに遅くなっちゃいました。
ありがとうコーエー
ありがとうネオロマンス
どうしてもっと早くプレイしなかったんだろう。蠱惑の森感謝祭に私も行きたかった……
よくあの5から立て直したなと心底感激しましたし、ネオロマンスの老舗力が抜群に光った素晴らしい作品でした。
総評
システム
安心安全のネオロマ仕様、(セーブ数◎、ギャラリー再生有、既未読選択肢スキップ有)です!
サウンド
BGMがめちゃくちゃ好みだった!特に「ガラスに映して〜結晶〜」と「朝日にキスして〜祝福〜」が好きだったな。
シナリオ
分量も程よく、一週目でもダレずに進められました。今回は終章前までキャラ分岐なくて、最後も大体が禍津迦具土神(以下邪神)を愛宕山に招霊してフルボッコという展開なので若干金太郎飴でしたが最大速スキップで飛ばせば問題ないです。
糖度
遙か6、なんといっても糖度増し増し激甘です。特にダリウスや秋兵さんはロマンチック街道をひた走っているのでめくるめく愛の言葉を捧げてくれます。そして、これはシナリオにも関連しますが、とても恋愛描写の過程が丁寧でした。私は自己投影型ではなく「読み物」としてゲームをするので、キャラ同士の惹かれ合う過程がご都合主義だと萎えてしまうんですが、今作は主人公目線と相手目線のテキスト量がいい塩梅。個人的に、ネオロマ作品は、作中で彼らの背景を知って主人公目線で惹かれて、その後のキャラソンやメッセージを通して彼ら側の気持ちを補足する、ような面があったように思うんですが、今作はゲームだけでかなりお互いの気持ちを知れるので曲は聞かないネオロマライトユーザーさんにもいい作品だと感じました。
ストーリーネタバレ
女子高生の高塚梓ちゃんが祖母のお見舞い途中に不思議な鈴の音を聴いて時空を飛ばされ、降り立ったのは怨霊はびこる異世界の大正時代、といういつもの遙か序章を経て、訳も分からないまま鬼の一族に拉致られ、元の世界に帰る為に怨霊退治に勤しむ事になります。
前半は鬼側、後半は帝国軍側について行動するので、対立する双方の事情や信念を理解できてすんなりと世界観を飲み込めました。
梓ちゃんは帝都の龍脈が乱れた事で黒龍の神子として召喚されているので、後半はその原因に迫ります。
結論から言うと、原因を作っていたのは帝国軍のトップ、秋兵父で、富国強兵の為に人体実験を行なっていて、その失敗作がコハク達「憑闇」。
ダリウスもこの計画に一枚噛んでいて〜って事なんですが、
邪神の力を養分に育つ「アダバナ」をダリウスが帝都に持ち込む→軍が花を培養、強兵計画→邪神の好む陰の気が大量発生→逆に邪神が釣られて帝都まで来ちゃった
っていうのが真相で、最後は秋兵パパに取り憑いてた穢れの元の邪神を倒して各エンディングに向かう形でした。
たまたま最近「蝶々事件ラプソディック」をプレイしてたので、同じ大正時代で同じような軍が強兵化を進める、みたいな話でビックリしました。大正って大正ロマン、みたいな華やかな文化面と、その後の大戦に続く軍部の仄暗さ、みたいな対比が描きやすいんですかね。
キャラクター感想〜神子編〜
今作の神子様ペアが素敵すぎて語らずにはいられなかった。
左が主人公黒龍の神子の梓ちゃん、右が対の白龍の神子の千代ちゃん
今回一番違うのはやっぱり梓ちゃんがシリーズ初の黒龍の神子という点。
個人的にこれが良かったな〜って思うのは
- 黒龍の神子の力が具体的に明かされた
- 白龍の神子を客観視できるようになった
という点です。
黒龍の神子については、これまでの作品で
- 破壊と停滞を司る黒龍に選ばれた神子
- 白龍の神子より先に選ばれる
- 怨霊の声を聞き鎮めることができる
- 陰の気の穢れに強く、八葉の守護を必要としない
ということが明かされていましたが、今回満を辞して主人公にジョブチェンジした結果、新たに
- 陰の気を身に溜め込める
- 怨霊を使役できる
- 招霊ができる
等々ご新規設定が盛り沢山でオタク心が大変くすぐられました。
この梓ちゃんの招霊スチルの圧倒的「黒龍の神子」感。これまでの神子達は白龍の神子様だったから眩い光の中天を仰いで祈りを捧げるイメージだったけど、黒龍の神子様は静かに自分の中に響く声に耳を傾けて語りかけてる。
そして、主人公の高塚梓ちゃんですが、結構いい性格してました。
冷静に物事を捉えて行動する強さを持った子なので、プレーヤー置いてきぼりの暴走をしたりしないし、心の中で割と毒づいてるところもかわいくてめちゃめちゃ推せました。
黒龍の神子にしてはあんまり不安定な感じや「破壊と停滞」感はなかったけど、主人公でそれされたらすっごいイライラしそうなので良かった、、、、
そして梓ちゃん最大の推しポイントはCVが斎賀みつき様!!
みつき様にこの美少女ビジュあてるのやば過ぎませんかね???乙ゲーで攻略キャラやっちゃうみつき様がヒロインって、、、、ゲームだとヒロインは戦闘しか喋らないけどイベントだとみつき様が声当てるんでしょ、、、それだけで6000円の価値ありですよ。
次に白龍の神子の駒野千代ちゃん
まず千代ちゃんはこの帝都の子なので、衣装がすんごくかわいい!!そしてこの神子スチル大好き、二人とも幸せになってね。
今作でわたしが一番良かった点が、白龍の神子がサブキャラに回った事で「歴代キャラ達が主人公を神聖視してきた感覚を理解できた」点です。
実際にプレイしていて、千代ちゃんが一言喋った瞬間に「あ、白龍の神子ってこういう事なんだ」って納得しちゃったんですよね。高橋美佳子さんの演技が素晴らしかったのも勿論あるけど、トータルとして、千代ちゃんに対して「すごく清らかで、澄んでいて凛としている」という印象を抱きました。ほんとに話すだけでその場の空気が綺麗になるようなオーラが出ていて、「一般人」じゃなくて「神子様」でした。
そんな素敵な千代ちゃんだけれど、本編では体が弱い上に、守護者の八葉が選ばれなかった為にどんどん弱っていっちゃうし、何なら大団円エンド以外では、みんなを守る為に力を使い果たして帝都から消滅してしまいます。
これはヲタ的大興奮ポイントだけど、力を使う時に千代ちゃんが「巡れ天の声、響け地の声」って言うんですよ!
千代ちゃんは白龍の加護を受けているので、死ぬ訳ではないけど、穢れの及ばない別時空に飛ばされてしまいます。
千代ちゃんのその後はノーマルEDか九段EDで「梓の時空の少し前の時間軸に飛ばされて、梓のお祖母ちゃんになっていた」事が明かされます。
私はしばらく千代ちゃんの結末は幸せなのか、と考えてしまったんですが、帝都では梓達が邪神を倒して龍脈を正したので、白龍は力を取り戻して千代ちゃんを再び時空跳躍させる程度の力を持っていたはず。それでも千代ちゃんは自分が帰ることよりも恋人・進さんを連れてきてもらう事を選んだ。
元々職業婦人を志していたり、身分違いの恋をしていたハイカラな千代ちゃんにとっては帝都より、自由に生きられる現代の方が幸せになれた、という事ですよね。よかった。
ちょっと切ないのは、この2つか、梓と現代帰還するキャラ以外では千代ちゃんが幸せになれた事の何よりの証が梓自身であるっていう事を梓ちゃんは知る事ができないっていうところ。
遠くでお互いの無事と幸せを祈るしかないんだな〜ってしんみりしちゃいました。
ここでプレイ前から大好きだった神子様デュエット曲のお気に入り歌詞
「ありがとう」だけじゃ
言い足りない気持ちは
いつかまた出逢う
その時まで 温めてる遠く離れても 絆は繋がってる
ずっと これからも 見守ってるからもしもこの先 つまずいたなら
空を見上げてごらん
私もきっと 同じ空見上げてる
プレイ後に聴いたらめちゃめちゃ泣けてしまった〜!「遠く離れても見守ってる」とかいう使い古されたフレーズがこんなリアルな状況ある??
攻略キャラなら入る前から語りすぎですが次からキャラ別感想入ります😂
蛇香のライラ 第三夜 アラビアン・ナイト感想
第三夜 アラビアン・ナイト
あらすじ
シャナーサ王国の国王――“ライザール・シャナーサ”
富国にし、会議を開催させた立役者であるライザール王は
自身の政策の強引さに一部の貴族らの中に反発が芽生え初めているのを感じていた。
彼らの反発を抑える手段は、ただ一つ。国の有力者の娘との『結婚』だ。――会議1日目の夜。
各国の王子を歓迎する宴でライザール王は自身の婚約者を発表する。
彼女が、今日の昼に入れ替わっていることも知らずに。「私を誘惑してどうする気だ。
だが、その程度では全くそそられないな。
――もっと私をその気にさせてみろ」
――時は少し遡って、前日。《ショーサロン・カマル》の踊り子“舞妖妃”に、密偵としての依頼が舞い込む。
それは、王の婚約者を肩代わりして欲しいというもの。
駆け落ちを計画する婚約者は、逃げる間の時間稼ぎを依頼しに来たのだ。その依頼には、“舞妖妃”すらも知らないもう一つの目的があった。
――暗殺を成功させるために、ターゲットを骨抜きにするというミッションだ。「チッ……アイツの手なんか借りなくても十分だ。
アイツが誘惑する必要なんかない。……先に、オレが殺してみせる」
女の愛し方が強引なターゲットと、ただ一人の女のみを愛するクライアント?との
アラビアン・トライアングル共犯の仮面に溺れるのは誰か――
(公式サイトより)
第三夜は最終章にあたるので、どちらのキャラをプレイしても真相√に近いようにできていますが、個人的にはライザール→ジェミルの順で始めた方が楽しめると思います。
以下、今回もネタバレ容赦なしの感想です
ライザール・シャナーサ
この設定で美味しくならない訳がない。
やり手の王様ライザールは常に警戒心MAX状態で、初日からシリーンの武器ヘナタトゥーに気付いて落としてしまうので、「シリーン本人の力量」が問われる展開になっているのが差別化としてとても良かったです。
ライザール王自身も王としての正しさや痺れるカッコ良さを沢山見せてくれるので、シリーンが「こんな王様のいる国は素敵だ」と感じるようになるのもごく自然な流れでした。
その内、自分の弟分ジェミルがライザールを暗殺しようとしてる事や、ライザールが連続少女失踪事件の犯人かもという疑惑が出てきたりしますが、まあ真犯人は店主なので。
ライザールさんは逆に助け出す側だったと分かるのですが、途中で彼の相棒兼ペットのカルゥーが死んだのは泣きました、、、、
カルゥー可愛かったのに、、、、
結局、彼が本物のライザール王ではなく7年前に入れ替わった義賊ライラ・ヌールだと判明し、本名はルトさんだと告げられますが、「ルト」という名前を聞いたシリーンは頭痛で倒れ、そうこうする内に自分がルトに助けられていた事、自分が店主の実験台にされて逃げ出していた事を思い出します。
シリーンの中では「野党に村を焼かれて親友と2人逃げ延びたところを店主に助けられた」記憶があったけれど、それも全て投与された薬物によって刷り込まれたまやかしだった訳です。
本当のシリーンは店主の実験台の男女から生まれて以来ずっと店主の実験室で「58番」として育てられていました。
もう終盤は店主倒すしかないので省きますが、ルトは昔からシリーンを愛していた訳なので、当然そのまま王と王妃として幸せに暮らしながら、夜になれば二人で義賊として街に繰り出すハピエンと、無事店主に再度洗脳されて淫らに変わり果てたシリーンがライザール王の前に現れるバッドエンドがあります。
ジェミル
男らしいビジュにCV村瀬歩が付いてると、つい買ってしまう現象に名前が欲しい
今回も素晴らしい演技でした。ちょっとやさぐれ感のある村瀬先生も絶品でした。
ジェミルはザ・反抗期の弟分キャラ、というか「好きな女が弟扱いしかしてくれないからグレて」います。
シリーンにとっては完全に家族なのでジェミルが何してくれても基本「あらあら、まあまあ、はいはい」といった様子で、ジェミルから直接「好きな女の手は汚させない」と言われたりキスシーンを経るまで、まるでジェミルの気持ちに気付きません。
実はプレイ時はこの話のシリーンも鈍感すぎて地雷でしたが、彼女にとってのジェミルは「弟みたい」ではなくて「完全に弟」だった事を理解してから受け入れられました。
シナリオとしてはお互い想いあってる辺りでジェミルの出自の話や一晩で300人殺した話をされたり、店主を追い詰めても、「店主のことを傷付けない」ようジェミルとシリーンは洗脳されていたりします笑
店主は本当は「不老不死の研究」をしていて、その為に王族の血を探していたのに、ライザール王は偽物のルトだから血が違って。
本当のライザール王がでてきて話を聞いていたら、ジェミルが本物の王子様だと分かります。
第三夜、なんの関わりもない2人のように見えて「偽物の王様と本物の王子様」の組み合わせだったんですね。
まあ最後はルトさんと一緒で店主倒してハッピーエンドです。というか、ライザールさんジェミルのこと「自分の隠し子」として公表してましたが些か年近すぎではないでしょうか。
二重スパイ√
一番最後に開くこの話が「蛇香のライラ」という作品の真相エンドになります。
ここで全夜に渡って小出しにされてきた「永遠の美を叶える薬学」という本の話ともう1人の黒幕が現れ全ての謎が明らかとなります。
マイルズという人間の書いた「永遠の美を叶える薬学」はパメラや美蘭ちゃんも愛読し、作者マイルズを信奉している描写がありましたが本人は登場してきませんでした。
男性っぽい名前からおじさんかと思っていましたが、マイルズ、ずっとそばに居ました。
シリーンの親友アイーシャちゃん。親友ポジキャラ大好きだし、かなり好みだったんだけど、、、、
お前だったのか
マイルズの名前が男性っぽかったのもアイーシャが「不老不死、永遠の美」に拘る伏線だったのですね。
さすがに気付かなかった〜〜〜!!!
アイーシャは30年も前から店主と共に不老不死の研究をしていました。シリーンの記憶にある親友としての記憶も薬物による捏造。
アイーシャは9年前から見た目が変わっていません。シリーンがこれまで仕事で採取した「興奮状態の男性の血液」から作った薬で外見年齢だけ老けなかったと。その薬わたしも欲しい。
店主が王族ジェミルの血で作った不老不死の実験は、顔が蛇の頭に変わってしまう不完全品だったのでアイーシャは「完全な不老不死」を求めてシリーンの血でそれを完成させます。
正直なんでここで結局自分の実験台だったシリーンの血に行き着いたのかイマイチ説明がなくて疑問符がとれません。
ここで最終分岐の時に「二人とも好き」を選んでればグッドエンドで、なんか恋をして分泌された物質が作用して「不老」でなく「老化」が進行してアイーシャ死んじゃうラプンチェルエンドになります。
以上!
なんだかんだとボロクソ書きましたが、良くも悪くも新鮮な要素が多く、どこか欠けた登場人物ばかりなので、キャストの演技が光っていたのが何より良かったです。声優お楽しみコンテンツとして触れるのが適切な距離感かもしれません。
それと、クリア報酬で少しずつ「店主の日記」が開くので、彼側の事情を知ることが出来るのは個人的にとても好きなおまけ要素でした。プレイした際は一読するのをオススメします!